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蜘蛛之巣城 本丸 |
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えげれすの電子署名サイトで戦ってます。清き一票ヨロシク。 ・・・本当は、リンクをお願いしたいところなのですが・・・無理なお願いなのは分かっていますので・・・ 色々ツラい事があって、今は敬愛する猛者ネット論者の文章を読んで己を鼓舞してるトコ。 イソノ武威 a.k.a. ITOMARU 乙女の確証バイアス
03/06/09
「(自称)やおいのパイオニア」の死を契機にボンクラ貴腐人の一人として、つらつらと。 * 「恋」によって世界がくつがえされる快感こそが「少女漫画のセンス・オブ・ワンダー」であるという話。 その時は長文になりすぎるのを避けて割愛したんだけど、アリーズで感心したエピソードのひとつに、ラスボス・ゼウスの忠臣である戦女神アテナとヒロイン・ベルセフォネの対決シーンがある。 「戦い」の化身である女神アテナと、「愛されし娘」「恋する少女」でしかないヒロインでは、まともに戦闘しても勝ち目なんかない。どうやって勝たせるのかな、と思ったら、これがすごい画期的(少なくとも私は類例を見たことがない)。 ヒロインはアテナに自分の感情を同調させて、相手の戦意を奪うのだ。 ヒロインの悲しみという感情の圧力に内面を占領された戦いの女神アテナは、ボロボロと涙を流しながら、「おまえはこんな感情に耐えていたのか」と屈服する。 アテナは大神ゼウスに心からの忠誠を捧げ、その大儀を世界を救う正義として信奉してる。ゆるぎはない。にもかかわらず、無力な少女の悲しみという感情の前に屈してしまうのだ。 付記)文庫で確認してみたら、結構ディティール違ってた。ゴメン。 肉体を失ったアテナがベルセフォネの精神を乗っ取って支配しようとしたけれど、ベルセフォネの感情の圧力に負けて弾き出された・・・という流れ。まぁ本質的なトコは同じですが。 (全世界の命運をかけるレベルの)野心・忠誠心・正義・理想<<<<<<ひとりの少女の恋心 下手な描き方をしたら、噴飯もののトンデモだ。というか、少年誌や青年誌では使えない技だと思う。 このエピソードが噴飯どころか、ヒロインを最高に輝かせる場面として機能しているのは、『アリーズ』という作品が「徹頭徹尾少女マンガ」だからだと思う。 少女マンガの絵作りと文法。何より根本的価値観・思想が一ミリのブレもなく「潔いまでに見事な少女マンガ」だから、すさまじい「少女マンガならではのカタルシス」場面になっているのだ。 (現実的な国家や軍隊や企業とは関係ないファンタジーだというのも重要) 「徹底した少女マンガ世界」において、少女の想いが世界の命運と等価のものとして扱われるのは、正しい。この上もなく、正しい。 現実の社会という場所では何の価値もないし斟酌もされないが、しかし「少女の濃密な心理」というものは確かに存在する。それもまたこの世界を構成する大事な一部なのだ。 というのを、あらゆる形で描いてきたのが日本の少女マンガなのだ。 (海外で日本の少女マンガがブームになったのは、今まで向こうのコミック業界では「少女の心理を描くこと」が商業漫画として成立すると思われていなかったが故の、発見の驚きってのが大きいんじゃないでしょーか。だからshojomanga X-Menとかいってるマーヴェルは勘違いもいいとこなんだってばよ) * ハーレクインロマンスの黄金パターンに、健気なヒロインが誤解から傲慢セレブなヒーローに性悪女あつかいされて、散々侮辱されイジメられた挙句、クライマックスの少し前あたりでヒーローが誤解に気づいてハッピーエンドというのがある。 * んで、ぐるっと回って最初にもどる。腐女子的確証バイアスによる読み替えってのは、基本的には男性原理に則って回っている物語世界を無理やり「女の世界」に引き寄せる作業な訳だ。女のナルシシズムで読み替えちゃう訳ね。 で、さ。ここんとこ、ネットで私が完全に興味をなくして読んでなかった80巻台以降のグインの評判を拾って、シミジミ思ったんですけども。 栗本薫ちゅーのは、結局「ファンガール」から一歩も出られなかった人だったんだなーと。 ハッタリの効いた壮大な初期設定や伏線をぶちあげて話を始めても、結局「自己愛を過剰投影した特定キャラクターの色恋沙汰」に主題は収束し、他のキャラクターや世界はカキワリと化してしまう。 恋愛といってもあくまで「やおい」だから、まともな「他者」 とのエロスを介した人間関係じゃなくて、あくまで女のナルシシズムでしかないわけで。 本当のところは、軍事や政治のような「男の世界」に興味はなくて、あくまで書きたいのは「私、私、私」 な人だったのね。 (ちなみに日本の武士団における衆道や古代ギリシャの少年愛は、「社会システム・権力システム」の一部だ。そういう意味でも「男の世界」なので、歴史的なモノホンのソレに、腐女子妄想の介入する余地はない) 初期設定にダマされてた古くからの読者が如何に嘆こうが、本来の作家性、本心からのモチベーションを全開にして書くと、あの「おかわいそうなナリス様サーガ」になってしまうのは必然であり。 三国志的諸国興亡の歴史とその裏にある宇宙的規模のスッタモンダ<<<<<<誰にも「本当の自分」を理解してもらえないナリス様の孤独 これが同人で展開するだけでは済まずに正史にまで侵食してくるというのは、「意識的確証バイアスによる思考の遊び」ではなく「マジもんのトンデモ陰謀論」の域だわな。 ・・・アリーズのように少女マンガの枠組みで展開されててくれれば、そういうのも良かったのかも知れませんですけどねー。 (少なくとも初期設定にダマされて後々悲憤慷慨する読者の絶対数は少なくなっていただろう) 文庫本にして130冊に及ぶ壮大なメアリ・スーを商業ベースで出せたんだから、主観的にはとても幸せな作家人生だったんだろうけど、ね。 ・・・ほんとに思いつくままつらつら書いたから、いまいち論旨が飛び飛びなんだが、時事ネタなのであえてこのまま出す。 (余談ながら、ついでにパロディとしての読み替えじゃなくて、素で「社会的な物語を女のリクツで誤読」してる人の例を挙げると、 『キャンディ・キャンディ』のステアが志願兵になって出征した挙句、戦死するという展開に関するネット上の感想で、志願兵になった理由を「キャンディに対する恋心を忘れるため」とかいってるのを読んでズコーっとコケた事がある。いや、アンタどんだけ恋愛中心脳なの・・・。いい大人なら、もうちょっと近代史の知識を身に着けようよ。 「何で態々志願したのか分からない」とか言ってる人も結構見るし。戦争って遠くなったんだな〜。次はキャンディ論書くか・・・) 訃報におもふ 27/05/09 栗本薫逝去。 私の実兄も、数年前に膵臓癌で40代で亡くなっている。 兄の場合は進行が早く、闘病期間は短かったが、癌患者を抱える御家族の苦労の一端は分かっているつもりだ。 一人の人間の死に対しては、一社会人として真摯に御悔やみを申し上げる。 とはいうものの、私は「文筆家・栗本薫/中島梓」に関しては、既に十年以上前に「終わってる人」という評価を下しているし、訃報に接したところでその評価は変わらない。 彼女があと十年永らえたとしても、グイン・サーガがどうにかなっていたとは到底思えない。よしんば完結できていたとしても、あの数十巻に及ぶ作者の自己愛タレ流しのグダグダな文章の評価が今更底上げされる訳でもなかろう。 それにしても、不思議でならないのだが。 「ライフワーク」を抱えた作家が自分の余命に関して悟るところがあったならば、せめて一番重要なテーマに関しては伝えておきたい、生きた証として遺していきたいと、出来うる限り話を先に進めるのではなかろうか。実作家ではない私の素人考えか? まぁ、『わが心のフラッシュマン』(1988)にブチ切れて作家としての見識や人間性に見切りをつけ、グインを新刊で買ったのは『光の公女』が最後。 その後何巻だったか忘れたが、地の文に「シチュエーション」というカタカナ語が1ページ内に二回も出てきたのに「金とっていい文章じゃないだろコレ」と立ち読みさえ止め、更に数年後に基本設定がネタばらしされた80巻台を久々に立ち読みし、「なんだこの厨臭い侵略ものB級SFは」と愛想のカケラも尽きて今に至る・・・という私なので、グインや魔界水滸伝が未完で終わったとて別段惜しいとも思わないのだが。 しかし・・・あれだね。なんだかんだで稼ぎ頭のグインが終わりということは、ハヤカワSF文庫JPも実質終わり、海外SFも・・・? 「SF者」とは不倶戴天だが、面白いSF小説は好きなので、色々と心配だ。 てか、ミステリ文庫の方はもっと心配な訳なんだが。 *オマケ* そういえば、私はNARUTOという作品自体は然程好きでもないのだが、大蛇丸とカブトだけは偏愛していたりする。なんでかなーとよくよく考えたら、私はあの二人の人間関係に、「あるべきナリスとヴァレリウス」を幻視してるとこがちょっとあるのかも知れん。あれくらいの描写バランスでやってくれてりゃ萌えられたかもしれないのに(ま、基本的にクシャナとクロトワとか、モルミルスとライマンダとかのパターンに弱いってのが一番の理由なんだが) 付記)ファンだった頃に一番好きだったキャラはヴァレリウスだった。 で、長い長いブランク後に80巻台を立ち読みした際、ヴァレりんがあ〜ゆ〜扱いをされている事で、何やら「好きなカップリングの同人誌を買ったけど、キャラ解釈の方向が全然合わなくて激しくモニョる」ような感じがして非常にツラかった。・・・いや、原著作者による原典なんですがねwww |
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